新幹線殺傷事件
簡単に言うと、
先日の新幹線の殺傷事件は大変痛ましい事件ですが、色々と思うことがあるわけです。
先に述べておきますが、以下は犯人を擁護するものではありません。
人物像を探るために以下の記事を参照しました。
優秀だがプライドが高い人物像、人間関係に悩み自己否定に陥った可能性。
・「自己否定多く、人間関係に悩み」
・プライドが高い
・「自分は価値のない人間」
・成績はよかった
優秀だがプライド高く、人間関係に難があるといった印象を受けました。
家庭でのトラブルや、自立支援施設への入所、両親との別居など問題を抱えていたのは間違いありません。
就職し、やっと自分の力で生きていけると思ったところで職場でも人間関係でのトラブルで退職。
特に人との付き合いに問題を抱えていたようです。
その挫折感が自己肯定感のなさと結びつき、自己否定のループにはまってしまった。
深まる自己否定から孤立、自ら社会とのつながりを断絶し、社会と敵対してしまった。
そんなふうに感じました。
全然違うかもですけどね（無責任）
この事件への反応で疑問に思うことが2点あります。
１．親への批判
２．「一人で死ね」という言説
親への批判は意味がない。
両親のコメントが「他人事すぎるのではないか」というものです。
両親の育て方が悪かったという考え方もあると思います。
しかし、両親にはどうしようもなかったのだと思います。
だから自立支援施設に入所していたのでしょう。
保護者としての責任を果たそうにもどうにも折り合いがつかなかったというのが実際だと思います。
そこでなんとか祖母との養子縁組にこぎつけた。
残念ながらそこでも籠ってしまったのでしょうけど。。
親の責任が「親の愛」として語られるのが私は嫌いです。
家族だって別の人格を持つのですから上手く折り合いがつかないときもあります。
家族だから当然愛があるとは限らないわけです。
ここが理解できないとただ「親が悪い」という結論になってしまいます。
これからも同じ事件が繰り返され、「親が悪い」と言われ続けるだけでしょう。。
親子の相性が悪い場合にも、人を支え、育て上げる手立てが他に必要ということです。
「死にたいのなら一人で死ね」というのは間違っている。
趣旨は「死ぬくらいなら一人で死ね」というものですが、たしかにもっともなことだと思います。
亡くなった方を思うと俄然そういう感情になります。
しかし、「死にたい人は一人で死ね」というのはさらに同じような無差別殺人を生むだけなのではないかと考えます。
「死にたい人」は挫折した人、絶望した人など、精神的に傷を負った方が「死にたくなる」わけです。
上手くいかなくて希望が持てないとか、今後も苦しみが続くとしか考えられないという状態です。
しかしながら、多くの人はそこで自殺しません。
誰かに相談したり、時間をかけて「なんとかやろう」と思えるわけです。
一時的に死にたくなりますが、なんとか持ち直すことができます。
それは社会とのつながりやそれまで培ってきた自己肯定感のなせる業です。
社会から完全に孤立してしまえば、そこから這い上がることができなくなってしまうでしょう。
つまり、「死にたい人」に「死ね」などと言って排除してしまうのでは、「死にたい人」をさらに追い込むことになります。
それが「死にたい人」を「無敵の人」に変えてしまうことだってあるわけです。
「社会から排除された人は自分と社会をつなぐ最終手段として事件を起こす」という話をどこかで読んだことがある気がしますが、それならば「一人で死ね」などと言ってはいけないと思います。
するとここからがまた問題なのですが、「一人にするな」というのであればどうしたらよいかということです。
そうなると、１で扱ったような「家族が何とかしろ」という話になってしまいます。。
ここを解決するのは現状難しいと思います。
「どこかで社会的つながりを持つことができたら」というような運頼みな態度では今後も同じことが起きるでしょう。
完全な思い付きでよいならば解決するのは宗教の力でしょうかね。。
