やさしい人

人には言えなかったことを思い出しては書いています

崎山蒼志の「無人島に持っていく俺の5枚」5枚目     KAMASI WASHINGTON/HARMONY OF DIFFERENCE

 

第5弾!これで最後ですね。

 

rowanatkinson.hatenablog.com

 

 

ラストの5枚目は

 

KAMASI WASHINGTON / HARMONY OF DIFFERENCE

 

Harmony of Difference [帯・解説付 / 国内仕様輸入盤CD] (YTCD171JP)

 

本作のライナーノーツにはKamasi Washigtonの姉妹のAmani Washingtonが描いた一曲ずつの絵があるのですが、ジャケットの木の根元にあった絵がそれだということがわかりました。白黒でわかりにくいですけど、ライナーノーツにはカラーで印刷されています。

 

 

タワレコさん紹介お願いします。。

 現行LAジャズの結晶にして、今また新たな黄金期を迎えるシーンの象徴的作品として世界中で高く評価された2015年のデビュー・アルバム『The Epic』以来となるカマシ・ワシントン新ミニ・アルバム『Harmony ofDifference』がYoung Turksからリリースされる。
前作のメイン・パーソネルを務めたザ・ネクスト・ステップの面々に加え、盟友サンダーキャットやテラス・マーティン、そしてギタリストには若手技巧派としてチック・コリアからソランジュのバックまで務めるマット・ヘイズがレコーディングに参加した本作は、6つの楽章から構成される組曲となっており、作曲技法のひとつである"対位法"の可能性を探求している。その"対位法"についてカマシは、"類似性と違いとのバランスを取って、別々のメロディのあいだにハーモニーを作りだすアート"だと定義しており、5曲の異なるテーマ、そしてそれらをひとつに融合して演奏した13分を超える大曲「Truth」へと帰結する。
発売・販売元 提供資料 (2017/08/04) 

 

カマシ・ワシントンはアメリカのジャズサックス奏者だそうです。

 

今年のサマソニで来日していたそうです。

 

これまた1枚目に紹介したサンダーキャット界隈ですね。

 

「作曲技法である”対位法”」という記述がありますがどんなものなんでしょう?

 

対位法って?

 

www.mie238f.com

 

こちらから引用させていただきました。

 対位法とは、ルネサンス期からバロック初期にかけて確立された音楽理論です。
簡単に言うと、普通はメロディに対して和音で伴奏をつけると思いますが、それに対して伴奏部分もメロディにしてしまうのが対位法です。もっとざっくり言うと、カエルの歌のような輪唱を思い浮かべて頂ければ分かりやすいと思います。

 

私のように音楽に疎い人間にも分かりやすく説明してもらっています。

 

メロディーに重ねるだけのはずの伴奏もメロディーにしてしまって、メロディーが重なっているようなものってことですね。

 

 某RPGの曲(特にお城とか)に対位法で書かれたものが多いのは、中世ヨーロッパの雰囲気を出したかったのが一番の理由ですが、ファミコン時代に少ない音数で曲を書きたかったということも関係しています。
ゲーム好きの方は、お城の曲をイメージすると書きやすいかもしれません。

 

やばいこのサイトの説明分かりやすすぎる!読者登録しよう。。

 

もとい、このような対位法の可能性を探求したのがこの「HARMONY OF DIFFERENCE」なわけですね。

 

曲の構成が分かるとめちゃ感動する!

 

liveバージョンですけど。。

 

youtu.be

 

簡単な構成は、

 

一曲目の「Desire」でテーマの提示。

二曲目「Humility」で展開。

三曲目「Knowledge」で「Desire」に似たテーマに帰る。

四曲目「Perspective」でまた別の展開。

五曲目「Integrity」で同じく「Desire」に似たテーマに帰る。

 

という感じに聞こえました。

 

ラストの曲Truthは13分の長尺の曲ですが、この前の5曲の演奏されたテーマを全て回収した集大成的なもので盛り上がりが心地よいです。

 

「対位法」も繰り返し聴くことでよくわかりました!

各楽曲のテーマが重なって聴こえてくるのです!

これを理解できたときにはすごい快感とともに鳥肌が(笑)

 

例え方が陳腐ですけど、ゲームである「ボスラッシュ」ですね。

一面から出てきたボスが最終面になって次々と連続で現れるというやつです。

今まで聴いてきたメロディが折り重なりながら波状攻撃してくる。。

とてもじゃないけれど、感動を抑えきれないです(笑)

 

これってLA LA LANDのラストも今までのテーマを回収しての楽曲だったので、ジャズナンバーにはよくある展開なのでしょうか?

それにしてもミニアルバムでここまで作りこまれているとは。。

恐ろしい傑作。。

 

 

やはり崎山さんみたいに感覚が研ぎ澄まされた人というのはこういう音楽も聴くのか。。これをさらに自分の糧としていくのでしょうね。

 

 

Kamasi Wasingtonが作品に込めた願い

 

 

 最後にライナーノーツのKamasi Wasingtonの言葉を引用しておきます。

 

“My hope is that witnessing the beatiful harmony created by merging different musical melodies will help people realize the beauty in our own difference.”

‐ Kamasi Wasington

 

私の願いは、異なった音楽のメロディーが溶け合い作られた美しいハーモニーを聴くことで、人々が我々にある違いそのものの美しさを理解するようになることだ。

 - カマシ・ワシントン

 

 良い音楽にはきっとこういった哲学があるのでしょうね。

 

 

 

 

Harmony of Difference [輸入盤CD](YTCD171)

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